たけいせんせい
日本歯科医師会
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今月のコラム
2011/7,20 舌痛症について
最近、「舌の外見には異常はないが舌が痛い」という患者さんが増えています。今回は”舌が痛い舌痛症”です。

舌痛症の痛みは抗うつ薬によって軽減あるいは消失することが臨床的な研究によって証明されています。抗うつ剤は、 その作用機序として脳内のセロトニン神経やノルアドレナリン神経の情報伝達を促進させます。抗うつ剤は、これらの 神経系への作用が舌痛症をおこす「脳の神経回路の混線」を正常化させていると考えられます。

患者さんは几帳面で、病気を追及したい性格の方が多いようです。そのため原因は何だろうか?とことん追求するあまり、 「薬の副作用だろうか。それとも、やりかえた銀歯が悪いのだろうか、金属アレルギーかな」などと見当違いな「犯人探し」 に陥ってしまう方もいます。背景として、マスコミ情報の氾濫、科学万能主義や医療 不信の蔓延、患者さんの権利意識の向 上などがあるのでしょう。

一方でこういった患者さんの不安に付け込み、「商売」にしようとする向きも少なからず存在するのも事実です。劇的な 治癒を望むあまり、つい効果も副作用もよくわからないサプリや何々のエキスなどに手を出される患者さんも少なくあり ません。効果があればよいのですが、そうでない事も多いようです。

また、西洋医学や東洋医学でも治癒できない全身的な不定愁訴や難症例を歯科的治療のみで改善する、などと称して舌の痛み に関係なく、自信満々でやたらに補綴物(銀歯や入れ歯など)をやり変えようと勧める歯科医師もいます。

気休めでは治りません。各種心理療法のみでは効果が少ないようです。症状が精神的なものというのは誤りです。 ぜひ信頼できる歯医者さんに相談してください。舌痛症は精神的な病気ではないのです。


産業衛生学会会員
日本歯科医師会認定産業歯科医師
たけい歯科クリニック院長
武井延哲